FARO設定前に!GA4拡張計測機能の初回推奨設定について②

公開日: 2023/8/10

GA4情報

こんにちは、FAROチームです。

前回は「GA4拡張計測機能の初回推奨設定について①」にて、    
4つの項目についてお伝えしました。

今回は残りの3つ拡張計測機能(フォームの操作・動画エンゲージメント・ファイルのダウンロード)内部アクセスについてご説明します。

1.ページビュー数(デフォルトでオン。オフにはできない)
2.スクロール数
3.離脱クリック
4.サイト内検索

5.フォームの操作

6.動画エンゲージメント

7.ファイルのダウンロード

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内部アクセスの除外

 

拡張機能を開く

GA4画面を開き、左下の「管理」(歯車ボタン)>「プロパティ設定」列より、「データの収集と修正」の中にある「データストリーム」をクリックして該当するストリームを開きます。

▼「拡張計測機能」が表示されている部分。

拡張計測機能のキャプチャ。

上記、歯車ボタンをクリックすると、拡張計測機能の設定が表示されます。トグルボタンがオンになっていればそのイベントが収集されています。

▼この例ではフォームの操作以外すべてのイベントが取得されています。

拡張計測機能の設定画面

 

5.フォームの操作

上記のキャプチャではトグルボタンOFFになっていますが、ONにした場合下記のイベントが取得できます(デフォルト設定ではオフになっています)。

  • 複数のフォームがある場合でもイベント名は統一なため、必要に応じてパラメータをカスタムディメンションに登録して弁別しやすくする必要があります。    

①「form_start」: ユーザーがセッションで初めてフォームを操作したとき

  • 1回のセッションにおいて、「最初のフォーム要素から別の要素へ移動したときに1回だけ」記録されるイベントです。
    • セッションが継続している間は再度記録されません。
    • フォームページを開く・ページへアクセスしただけでは記録されません。
    • 自動入力システムを利用している場合・そのシステムによって入力が自動で発生する場合、手動のフォーム操作を伴わなくてもイベントが発生する可能性があります。
    • AJAX形式のフォームは計測されません。
       
  • form_startイベントでは以下の3つのパラメータがあります。
    • form_id: <form> DOM 要素の HTML id 属性
    • form_name: <form> DOM 要素の HTML name 属性
    • form_destination: フォームの送信先 URL
       
  • 自動取得はされないパラメータであるため、分析に使用する場合はカスタムディメンションでこれらのパラメータを設定する必要があります。
  • パラメータのデータが取得できているかどうかはGTMのプレビューモードやDebugView、リアルタイムから確認できます。
    • ウェブサイトの設定によってはデータが空になるケースがあり得るため、必要な情報が取得できているかどうか確認した上で設定が必要です。

▼FAROレポートのログインフォームで発生するform_startイベント。form_idとform_nameは空で、form_destionationのみ取得できています。

FAROレポートのログインフォームの例

 

②「form_submit」: ユーザーがフォームを送信したとき

  • ユーザーがフォームを送信したときに記録されるイベントです。
  • フォームの送信失敗・エラー時にもform_submitイベントは検出されます。
     
  • form_submitイベントでは以下の4つのパラメータが取得されます。
    • form_id: <form> DOM 要素の HTML id 属性
    • form_name: <form> DOM 要素の HTML name 属性
    • form_destination: フォームの送信先 URL
    • form_submit_text: 送信ボタンのテキスト(存在する場合)
       
  • form_start同様、自動取得はされないパラメータであるため、分析に使用する場合はカスタムディメンションでこれらのパラメータを設定する必要があります
     

6.動画エンゲージメントイベント

  • オンにするとYoutube動画に関する3つのイベントが取得できます。ただしJavaScript API サポートが有効になっている埋め込み動画である必要があります。
    • 有効になっているかどうかはYoutube動画リンクにenablejsapi=1パラメータが含まれているかどうかで判断できます。
    • GTMで動画再生イベントを設定している場合にはこの設定は不要です。
    • 必要に応じてパラメータをカスタムディメンションに登録し、どの動画がどの程度再生されたか分かるようにする必要があります。

①video_start:動画の再生が開始されたとき

②video_progress:video_progress: 動画が再生時間の 10%、25%、50%、75% 以降まで進んだとき

③video_complete:動画が終了したとき

  • 上記のイベントに紐づくパラメータとして、以下が収集されます。
    • ★がついているパラメータはGA4の探索にディメンジョンとして用意されています。
    • video_current_time(動画の再生時間。秒。)
    • video_duration(動画全体の時間。秒。)
    • video_percent(動画の再生割合。0%, 10%, 25%, 50%, 75%, 100%の固定の割合を取得します。)
    • video_provider(動画が設置されているメディア)★
    • video_title(動画のタイトル)★
    • video_url(動画のURL)★
    • visible★(動画が画面に表示されているかどうか。スクロールにより表示エリアから外れたりバックグラウンドに移った場合はfalseになります。)
       

7.file_download:ファイルのダウンロードイベント

  • ユーザーが一般的なファイル拡張子のファイルに移動するリンクをクリックすると発生するイベントです。
    • クリックによってイベントが発生するため、クリックを要さないダウンロード挙動は取得できません。
  • 取得対象となるファイル拡張子は、PDF・エクセル・パワーポイント・文書ファイル・圧縮ファイル・インストーラー・動画・音声ファイルなど、以下の拡張子を持つものです(表記は正規表現です)。
    • pdf・xlsx?・csv・docx?・txt・rtf・exe・key・pps・ppt・pptx・7z・pkg・rar・gz・zip・avi・mov・mp4・mpe?g・wmv・midi?・mp3・wav・wma
       
  • イベントに紐づくパラメータとして、以下が自動的に取得されます。
    • ファイル拡張子(file_extension):ファイル ダウンロードの拡張子(「pdf」や「txt」など。)
    • ファイル名(file_name):ファイル ダウンロードのページ階層(「/menus/dinner-menu.pdf」など。)
    • リンクのクラス(link_classes):アウトバウンド リンクまたはファイル ダウンロード用の HTML class 属性。たとえば、ユーザーが「<a class="center" href="www.youtube.com">」というリンクをクリックすると、このディメンションでは「center」が返されます。
    • リンク ID(link_id):アウトバウンド リンクまたはファイル ダウンロード用の HTML id 属性。たとえば、ユーザーが「<a id="socialLinks" href="www.youtube.com">」というリンクをクリックすると、このディメンションでは「socialLinks」が返されます。
    • リンクテキスト(link_text):ファイル ダウンロード用のリンクテキスト。
    • リンク URL(link_url):アウトバウンド リンクまたはファイル ダウンロード用の完全な URL。たとえば、ユーザーが「<a href="https://www.youtube.com/results?search_query=analytics">」というリンクをクリックすると、このディメンションでは「https://www.youtube.com/results?search_query=analytics」が返されます。
       

内部アクセスの除外

[GA4] 内部トラフィックの除外 - アナリティクス ヘルプ もご確認ください。

  • データストリーム>「タグ設定を行う」を選択し、「もっと見る」をクリックして「内部トラフィックの定義」を選択します。

▼データストリームを選択すると、「タグ設定を行う」が表示されます。

Googleタグ設定エリア

▼「もっと見る」をクリックすると「内部トラフィックの定義」が表示されます。

内部トラフィックの定義

▼内部トラフィックの定義設定画面。

内部トラフィックの定義設定画面
  • 「内部トラフィックの定義」画面が表示されたら右上の「作成」からフィルタを作成していきます。

1.内部トラフィックの定義を設定する

  • 「ルール名」:わかりやすいフィルタ名をつけます。
  • 「traffic_type」:除外するアクセスにつくパラメータ値のことを指しています。内部アクセスであれば「internal」のように、わかりやすい名前を付けます。
    • この値は後の設定で使用します。
  • 「IPアドレス」でフィルタをかける:マッチタイプ欄からIPアドレス指定方法として適切な項目を選択し、値欄に対象となるIPを入力します。
  • IPアドレスが複数ある場合は「条件を追加」をクリックして同様にIPアドレスを指定します(条件を追加ボタンで追加した項目はOR条件で適用されます)。
    • フィルタは1つのルールに最大10個まで設定可能です。
    • 10個以上のIPアドレスを指定したい場合は同じ「traffic_typeの値」を持つフィルタを必要数作成します。

以下は演算子ごとの IP アドレスの指定方法を示した例です。

  • IP アドレスが次と等しい: 172.16.1.1
  • IP アドレスが次から始まる: 10.0.
  • IP アドレスが次で終わる: .255
  • IP アドレスに次を含む: .0.0.
  • IP アドレスが範囲内(範囲はCIDR 表記で指定します):
    • 24 ビットブロック(例: 10.0.0.0~10.255.255.255): 10.0.0.0/8
    • 20 ビットブロック(例: 172.16.0.0~172.31.255.255): 172.16.0.0/12
    • 16 ビットブロック(例: 192.168.0.0~192.168.255.255): 192.168.0.0/16
  • IP アドレスが正規表現に一致: 192\.0.*

※この時点では設定は完了していないのでご注意ください。

2.フィルタを反映する

  • プロパティ設定に戻り、「データの設定」から「データフィルタ」を選択します。
  • デフォルトで「Internal Traffic」フィルタが用意されているため、これを選択します。

▼「データ設定」を開くと「データフィルタ」が表示されます。

データフィルタ

▼データフィルタの設定画面。

データフィルタ
  • 先程作成したフィルタと「パラメータ値」が一致していることを確認した上で、このフィルタを「有効」にして右上の「保存」ボタンをクリックします。

▼先ほど設定したtraffic_typeの値を枠線内部に記入し、「フィルタの状態」を「有効」にします。

traffic_typeの編集

 

  • フィルタ設定は反映されるまでに24~36時間程度、時間がかかる可能性があります。
  • フィルタを検証するには探索レポートでディメンションに「テストデータのフィルタ名」、指標に「イベント数」を指定して確認することができます。

▼「internal_traffic」フィルタを作成した場合。

テストデータのフィルタ

 

以上がFAROチームがおすすめする、GA4拡張計測機能の初回推奨設定となります。             
FAROのご利用前にぜひお試しください。

 

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