何が違う?ユーザー数・セッション数・表示回数(PV数)-セッション編-

公開日: 2024/10/29

GA4情報

こんにちは、FAROチームです。

前回の記事に続いてGoogle Analytics4(GA4)の集客指標のユーザー数、セッション数、表示回数(PV数)について、使い分けや注意点などを解説します。今回はセッション数編です。

 

セッション数とは

セッション数とは、サイトに訪問した回数のことです。これだけ聞くととてもシンプルですが、では具体的に「サイトへの訪問」とはどんな定義になっているのでしょうか。それについて理解するにはセッションの仕組みそのものを理解する必要があります。

 

基本的なウェブサイトの閲覧の仕組み(HTTP通信)

セッションについて理解する前に、基本的なウェブサイトの閲覧の仕組みについて、簡単に整理します。ウェブサイトの閲覧とは、HTTPリクエストとレスポンスの繰り返しです。例えば、このブログ記事のURLを踏んだ時、裏側ではお使いのブラウザが、このブログ記事が保存されているwebサーバーに対して「ブログ記事のデータをください」という要求(HTTPリクエスト)を行っています。そして、その要求に従ってwebサーバーからブログ記事のデータをブラウザに送り(HTTPレスポンス)、ブラウザにブログ記事が表示されます。他のページを閲覧するのも同様で、ページを遷移するたびにこのHTTPリクエストとレスポンスが繰り返されています。

 

セッションIDとセッション

このHTTP通信は言い換えると、リクエストとレスポンスでデータを機械的にやり取りしているだけであり、「データを要求している人が今サイトに接続中なのか」というステータスを把握できないようになっています。そこで登場するのがセッションIDになります。

セッションIDとはwebサーバーが発行する一時的なIDのことです。イメージとしてはイベントで手の甲に押される再入場スタンプのようなものです。Webサーバーはリクエストを送ってきた人(ブラウザ)に対して、一時的に有効な再入場スタンプ(セッションID)を押してくれます。そして次のリクエストの時に再入場スタンプが押してある人(有効なセッションIDが付与されている人)を「同じ訪問(セッション)内でのリクエスト」と判断します。この再入場スタンプは最後のリクエストから一定期間で消えて、消えたらまた新しく発行されます。この再入場スタンプ(セッションID)が有効だった間の一連のやり取り(通信)が1回のセッションになります。

 

GA4のセッション定義

GA4のセッションの定義も、先述のようなセッションIDの技術が使われています。webサーバーにリクエストを送った時点で、GA4のサーバーからセッションIDが付与され、このセッションIDが有効な間に発生した一連の通信を1回のセッションとして扱います。具体的な有効期間はデフォルト設定で30分で、「30分間ウェブサイトに対して何も操作を行わなかった場合」にセッションが終了するのです。このセッションのタイムアウト時間はGA4上で任意に変更可能です。

 

表示回数(PV数)とは

表示回数、別名PV数(ページビュー数)はユーザー数やセッション数と比べるとシンプルで、単純にページが見られた回数になります。より詳細に説明すると、HTTPリクエストで要求したウェブサイトのデータがブラウザに表示された時、GA4のイベントが発火して表示回数としてカウントされます。つまり、リクエストは送ったが何らかの要因でデータが表示されなかった(イベントが発火しなかった)場合はカウントされませんし、ページのリロードで更新を行った際にはカウントがされます。

 

集客指標の使い分け

ここまでユーザー数、セッション数、表示回数について、それぞれの違いを解説してきました。どれもウェブサイトへのアクセス規模を示す指標ではありますが、それぞれの指標で定義は異なります。ではどのようにしてこれらの指標を使い分けるべきでしょうか。一つの考え方として、その指標が「一意かそうでないか」で考えることが出来ます。

一意とは、個々を固有の方法で識別できるかどうか、ということです。例えば、「セッションのデフォルトチャネルごとのアクティブユーザー数」について考えてみましょう。これは特段不適当な出力の仕方ではありませんが、合計したり構成比を出そうとしたりすると不適当になります。なぜなら、同じ一人のユーザーが異なるチャネルでアクセスした数が含まれるため、合計すると重複するユーザーが出てくるためです(一意ではない)。こういう場合は「セッションのデフォルトチャネルごとのセッション数」を用いると、合計や構成比が正しく算出できます。セッション単位で見れば、同じセッションで複数のチャネルをカウントすることはありえないからです(一意である)。

同様に、一意であることで考えやすいような指標で使い分けを行うこともおすすめです。例えば、webサイト全体の集客規模を表すのであれば、ユーザー数、セッション数、表示回数のどれを用いても考えやすいですが、ページごとの集客規模を表し、他のページと比較するような場合、ユーザー数やセッション数は一意ではないので、表示回数を用いたほうが考えやすくなります。

このように集客指標の使い分けは決まったルールがあるわけではありませんが、一意かどうかに着目してみると、扱いやすく、見る方も理解しやすくなります。

 

おわりに

今回の記事がセッションに関しての理解の一助になれば幸いです。FARO REPORT NEXTはGA4に対応しており、網羅的な指標、ディメンションのレポートが即座に出力可能です。ぜひウェブの分析にFARO REPORT NEXTの活用をご検討ください。