何が違う?ユーザー数・セッション数・表示回数(PV数)-ユーザー編-
GA4情報
こんにちは、FAROチームです。
Google Analytics4(GA4)の集客指標にはユーザー数、セッション数、表示回数(PV数)があります。実務で「集客規模を示すのにどれを用いるのが適切だろうか?」と、迷った経験はございませんか?この頻出指標の使い分けや注意点について、二回の記事に分けて解説します。今回はユーザー数編です。
ユーザー数、セッション数、表示回数(PV数)の違い
まずは概念的に、ざっくりとこの指標の違いを確認しましょう。以下は過去の記事からの引用です。
ユーザー数はサイトに訪問したユニークな人の数です。セッション数はサイトに訪問した回数、表示回数はサイトのページが閲覧された回数になります。例えば「Aさんが5回サイトに訪れて、訪れるたびに5ページを閲覧した」場合、ユーザー数は1、セッション数は5、表示回数は25になります。
ところで、GA4はどのようにして「この人は同一人物」と特定しているのでしょうか。実はその仕組みの裏にCookie(クッキー)という技術があります。
Cookieについて(ファーストパーティCookie)
Cookieとは、ウェブサイトに訪問した際にブラウザに保存される小さなデータのことで、ウェブサイトがユーザーの活動を記憶し、次回の訪問時に情報を利用できるようにする仕組みです。
例えるならば「会員証」のようなものです。会員制のお店に訪れる際に、毎回会員名や会員番号を店員さんに伝えるのは煩わしいでしょう。会員証にそれらが書いてあれば、カードを提示するだけで済みます。Cookieも似たような機能を持っており、ウェブサイトのログイン情報を記録して、ID/パスワードの入力を省略してくれたり、前回訪問した時にお気に入り登録した記事を覚えておいてくれたりと、様々なことに活用されています。
ユーザー数の定義・注意点について
GA4のユーザー数は、先に説明したCookieの数(会員証の枚数)をベースにしています。ここで一つ注意が必要なのは、同一人物が複数の会員証を持っていて、同一人物なのに別のユーザーとしてカウントされることがある、ということです。
例えば、Cookieはブラウザに付与されるため、複数のブラウザを用いて同じサイトにアクセスした場合、一人のユーザーが2つのCookieを持ち、別々のユーザーとカウントされる場合があります。また、PCデバイスのブラウザと、モバイルデバイスのブラウザで発行されるCookieも変わるため、同じユーザーが複数デバイスを使って同じサイトにアクセスした場合、別々のユーザーとしてカウントされる場合があります。
このようにユーザー数はブラウザベースであり、完全に個人を特定できる精度ではない、ということを念頭に置いて見ていく必要があります。
アクティブユーザー数と総ユーザー数
GA4には「アクティブユーザー数」という指標と「総ユーザー数」という指標があります。それぞれの定義は下記になります。ここでも注意が必要なのは、GA4の標準のレポートで表示されているユーザー数は基本的にアクティブユーザー数となります。探索レポートで標準のレポートを再現する際には、アクティブユーザー数を用いる必要があります。
■アクティブユーザー数
エンゲージメントセッションを発生させたユーザー(例えば、10秒以上の滞在や2回以上のページビューを行った等)、またはサイトに初めて訪れたユーザー。
■総ユーザー数
エンゲージメントセッションを発生しなかったユーザーも含めた、すべてのユーザー。
新規ユーザー数
新規ユーザー数は文字通り、そのサイトに初めて訪れたユーザーの数になりますが、何を持って「初めて」と判断するか、ここでもCookieの技術が用いられています。具体的にはCookie(会員証)を持っていたらリピーター、持っていなくて新規発行になれば新規ユーザーと認識されます。ここでの注意点は2つあります。1つ目は、GA4のデフォルトの設定で、24ヶ月間訪問がなければ、次に来訪した際には新規ユーザーとして扱われます。2つ目はCookie(会員証)はユーザー自身で破棄したり、ブラウザ毎に有効期限が規制されていたりします。2024年10月時点でファーストパーティCookieはChromeの場合最大400日間、Safariの場合は最大7日間が有効期限になります。
ユーザー数、セッション数、表示回数(PV数)の使い分け
ユーザー数はGA4の集客指標の中でも特にフォーカスされている指標です。従来のユニバーサルアナリティクスはセッションベースでの考え方で設計されていましたが、最新のGA4はユーザーベースでの考え方に転換されて開発されています。ユーザー数は集客指標の中でも特に注目すべき重要な指標ではありますが、一方で「一意に扱いにくい」という特性も持ち合わせています。そのため、やみくもにユーザー数を使うというより、用途に応じた使い分けが必要です。「一意に扱う」ケースにはどんな場合があるか、それは次回の記事にて、セッションと共に解説いたします。
おわりに
今回の記事がGA4のユーザー、ユーザー数の理解の一助になれば幸いです。FARO REPORT NEXTはGA4に対応しており、ユーザー数が様々なディメンションで網羅的、詳細的に出力可能です。ぜひウェブの分析にFARO REPORT NEXTの活用をご検討ください。