探索レポートの種類

公開日: 2024/3/28

GA4情報

こんにちは、FAROチームです。 
前回は探索レポート機能画面の使い方についてご説明しました。
今回は、実際の探索レポートのキャプチャを中心に、各レポートの使い方と設定方法について説明します。
 

探索レポートの種類

1.自由形式

  • テーブル形式でデータを表示する・カスタムのグラフや表にします。
  • 自由形式の探索手法を使用すると、次のようなことができます。
    • 任意のディメンションと指標を組み合わせてテーブル形式のデータを表示したい。

▼自由形式レポートの例。市区町村別のユーザー数などが表示されています。

自由形式レポートの例

 

  • ビジュアリゼーションをクリックすることでドーナツグラフや折れ線グラフ表示も可能です。

▼ビジュアリゼーションで「ドーナツグラフ」を選択した場合のデータ表示例。

ドーナツグラフの表示


2.ファネルデータ探索

  • ユーザーが特定のページやコンバージョンに至るまでのステップをビジュアル表示したり、各ステップでの
    完了率・放棄率などを確認することができます。
  • ファネルデータ探索の手法を使用すると、次のようなことができます。
    • 特定のCVやページに至るステップ・放棄率を確認する。
    • ユーザーが閲覧をやめているページを特定する。
       
  • 下記の例は、Google Official Storeの特定の推移を設定・表示したものです。

▼指定した3つのステップを踏んだユーザーの各ステップの完了数や放棄数・放棄率を表示しています。

ファネルデータ探索の例

 

ステップの登録方法

  • 「ステップ」の右上の鉛筆マークを押すと以下のような画面が開きます。
  • 各ステップにわかりやすい名前をつけ、検証したい条件を入力していきます。
    • 下記のキャプチャではステップ1として商品ページへの到達数を、次のステップで(間にどんなページが挟まっても)カートページへ遷移した数を検証しています。
    • 右側の「サマリー」では設定した条件に当てはまるデータの数が反映されており、条件を変更する都度更新されます。

▼ステップの編集画面。「ページパス+クエリ文字列」を指定して、ページごとにステップを追っています。

ステップの登録方法①

 

  • 各ステップには複数の条件がOR条件・AND条件で指定できます。

▼「ページパス+クエリ文字列」にAND条件で「セッションの参照元/メディア」条件を追加した場合。
 「セッションの参照元/メディア」にはOR条件で2つの参照元/メディアが指定されています。

ステップの登録方法②


ステップの間の設定

  • 「次の間接的ステップ」:前のステップとの間に別のアクションが挟まっていても、プロセスを辿ったものと判定されます。
  • 「次の直接的ステップ」:前のステップの直後に所定のアクションを完了しなければ、プロセスを辿ったものと判定されません。
  • 次のステップに進むまでの時間は任意項目ですが、秒・分・時間・日単位で入力可能です。

▼ステップ間の条件を設定する。
 下記の例では、商品ページの閲覧からカートページの遷移が「5分以内」のユーザーのみを指定しています。

ステップの登録方法③


3.経路データ探索

  • ツリーグラフでユーザーの移動経路を確認する探索レポートです。
    • 使用できるディメンション・指標は限定的であるため、具体的に検証したいステップがある場合には
      ②のファネルデータ探索をおすすめします。
  • 経路データ探索の手法を使用すると、次のようなことができます。
    • 新規ユーザーがウェブサイトを開いた後に開く上位のページを見つける。
    • アプリ除外の後にユーザーが行う操作を確認する。
    • ユーザーが迷子になっていると考えられるループ動作を発見する。
    • あるイベントがユーザーのその後の行動に及ぼす影響を特定する。

▼経路データ探索の表示例。

経路データ探索の例

 

  • 下記キャプチャは右上の「最初からやり直す」ボタンを使い、サインインページへたどり着いたユーザーが
    その前に閲覧していたページを表示しています。

▼終点から経路データ探索を作成した場合。終点から作成しているので、右から左にデータが展開されます。

終点から表示した場合のデータ
4.セグメントの重複

  • ユーザーの性質や行動をまとめた「セグメント」を作成し、そのセグメント間の重なりを図示して特徴を分析することができます。
  • 最大3つのセグメントにおける重複関係を表示・組み合わせをさらにセグメント化して深堀りすることも可能です。
  • セグメントの重複分析を使用すると、次のようなことができます。
    • 「新規ユーザー」かつ「CVしたユーザー」など、複数のセグメントの関係性を図示する。
    • セグメント間の相互関係や重複関係、重複数を確認する。

▼デバイスカテゴリ別のセグメントを作成し、セグメントの重複を図示した場合。

セグメントの重複の例


セグメントを作成する

カスタムセグメントは3つの作り方があります。

  1. すべてのパラメータを自分で定義してカスタムセグメントを作成する方法。
  2. おすすめのセグメントに基づいて作成する方法。
    おすすめのセグメントとは、よくある用途に合わせて用意されている既定のセグメントで、ニーズに応じて
    変更を加えて使用できます。
  3. ビジュアル表示されたデータポイントを右クリックしてメニューを開き、[選択項目からセグメントを作成] を選択する方法。
    作成したレポートからセグメントを作成することができます。

▼セグメントの新規作成画面。

セグメントの新規作成画面

▼コンテキストメニューからカスタムセグメントを作成する方法の例。

コンテキストメニューからセグメントを作成する

 

①手動で作る場合

  • セグメントの横にあるプラスボタンをクリックします。
  • どの単位でセグメントを作成するのか決めます。
    • ユーザーセグメント:特定のイベントを発生させたユーザー単位でセグメントを作る。
    • セッションセグメント:特定の流入など、セッション単位でセグメントを作る。
    • イベントセグメント:特定のイベント単位でセグメントを作る。
  • ファネルデータ探索同様、使用したいディメンションを選択して条件を入力します。

▼google/cpc経由で初めて流入したユーザーをセグメント化するケース。

セグメントを手動で作成する


条件のスコープ:条件の適用範囲を決める

条件のスコープでは、条件が適用される範囲を指定します。

  • ユーザー セグメントとセッション セグメントの場合は、以下のスコープを選択できます。
    • 同じイベント内:同一イベント内ですべての条件を満たす必要があります。
    • 同じセッション内:同一セッション内ですべての条件を満たす必要があります。
    • 全セッション:ユーザーのライフタイム内ですべての条件を満たす必要があります。
  • イベントセグメントではすべての条件が同一イベント内で発生する必要があるため、スコープの範囲は選択できません。


動的な評価:条件を満たす期間を指定する

  • ディメンション ベースの条件を持つユーザーセグメントには、現時点で条件を満たしているユーザーが含まれ、条件を満たさなくなったユーザーは削除されます。
  • これを変更するには、[いずれかの時点で] オプションを選択します。このオプションを選択した場合は、レポート期間やデータ探索期間中に条件を満たしたことのあるユーザーが(現時点で条件の基準を満たしていなくても)含まれます。
    • 例)あるユーザーが 2 か月前にブラジルを訪れ、現在は別の場所にいるとします。条件を「国 = ブラジル」とし、期間を過去 3 か月に設定したセグメントを追加すると、以下のように評価されます。
      • [いずれかの時点で] を選択している場合、この条件は現在でも満たされ、そのユーザーはそのセグメントに含まれます。
      • [いずれかの時点で] の選択を解除している場合、この条件は現在満たされず、そのユーザーはセグメントに含まれません。

条件グループ:複数の条件を指定する

  • 複数の条件を含むセグメントを作成し、それらを条件グループにまとめることができます。
  • 各条件はAND論理演算やOR論理演算で評価できます。複数の条件グループを使用すると、異なるスコープを
    使用する条件を1つの評価として設定できます。
    • たとえば、「同じイベント内」と「全セッション」など、複数の条件を併用することが可能です。
  • セグメントの定義に新しいグループを追加するには、[条件グループを追加] をクリックします。条件グループはAND論理演算で評価されます。
     

5.ユーザーエクスプローラ

  • 匿名化された個人の閲覧したページや発生させたイベント、CVなどを確認できます。
  • ユーザーエクスプローラを使用すると、次のようなことができます。
    • CVしたユーザー、特定ページへ到達したユーザーなど、関心のある行動をとったユーザーの1回のアクセスを細かく分析する。

▼表からユーザーIDをクリックすると、匿名化された個別のデータが確認できます。

ユーザーIDごとの詳細情報を表示した画面。

 

6.コホートデータ探索

  • コホートとは、同じ性質・属性を持つユーザーの集団のことです。コホートデータ分析では、共通の属性を持つユーザーのグループの行動とパフォーマンスを比較できます。
  • セグメントの重複分析を使用すると、次のようなことができます。
    • 初回訪問ユーザーのユーザー獲得日から、継続率を調べる。
    • ユーザーの再訪タイミングを調べる。

リピートの条件

  • どのような条件をリピートとして扱うかを指定します。
    初回訪問以外の「すべてのイベント」や「購入」イベント、カスタムイベントも設定できます。

コホートの粒度

  • 日・週・月から選択できます。

計算

  • 3種類から選択できます。
    • 標準:リピート条件を満たすすべてのユーザーの合計。
    • 連続:該当するコホート粒度以外のすべての期間でもリピート条件を満たすユーザーの合計。
    • 累計:データ期間のうち、いずれかの期間でリピート条件を満たすユーザーの合計。

  • 集計に利用したい指標を指定します。

▼初回接触ユーザーのリピート数を表示した場合。横軸は初めてアクセスした日から経過した日数を示しています。

コホートデータ探索の例
7.ユーザーのライフタイム

  • ユーザーの行動を分析して、LTV(ライフタイムバリュー)を算出することができます。
  • ユーザーのライフタイムデータ探索の手法を使用すると、次のようなことができます。
    • ユーザを最初に獲得した経路・最後に獲得した経路別に、売り上げやエンゲージメントを分析する。
    • 獲得経路によって、その後のトランザクションやエンゲージメントといったパフォーマンスに差があるかを分析する。
       
  • 使用できるディメンションは以下の8つです。
    • 最初のユーザーのキャンペーン
    • 最初のユーザーのメディア
    • 最初のユーザーの参照元
    • 最終利用日(最後にエンゲージメントした日)
    • 初回購入日
    • 初回訪問日
    • 前回のプラットフォーム
    • 前回の購入日
  • 使用できる指標も限定的です。

    ▼使用できるのはユーザーの合計数やライフタイムバリュー関連指標のみとなっています。

    ライフタイムに投入できる指標の例

     

  • 終了日はデータを閲覧している前日で固定されており、変更はできません。

▼最初の参照元別にアクティブユーザー数、総ユーザー数、LTV平均(期間内にすべての収益源で発生した収益の
 平均)、全期間のエンゲージメント時間平均、全期間のトランザクション数平均を算出しています。

ライフタイム画面の例

 

 

以上、探索レポートの種類別の使い方・設定方法についてお伝えしました。
探索レポートが使えるようになると分析の幅も広がるため、是非お試しください。


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