FARO Blog

ビジネスを取り巻く環境をデータで可視化する
Digital Business
公開日2019.11.27 /更新日2019.12.04

データドリブンは「ツール」だけでは成功しない!(ADDIX取締役 山本和弘インタビュー | 後編)

「FARO」シリーズの提供元であり、「データドリブンマーケティング」の運用・導入をサポートしている、株式会社ADDIXデジタルプラットフォーム事業部。Webサイトやソーシャルメディアなどにおける顧客との接点や体験を可視化・定量化するサービスを、「人」と「システム」の両輪で提供しています。

同事業部の事業部長を務める、ADDIX取締役の山本和弘へのインタビュー。
前編に引き続き後編では、データドリブンな運用におけるポイントと、導入に際して「データプラットフォーム事業部」が果たす役割について掘り下げます。

データドリブンが注目される背景は「データ量の膨大な増加」

前編では、「データドリブン」についてあらためて教えていただきました。
近年「データドリブン」による業務運用が注目されていますが、その背景にはどういう事情があるのでしょうか。

山本:

背景にあるのはデータ量の増大です。データ量の増大の理由は大きくわけて2つあります。

1つめは、人々の情報収集の手段が多様化したことです。情報発信のマスメディアによる独占が、インターネットの登場で崩れてきたことはみなさんご存知だと思います。考え方や好み、ライフスタイルによって、情報収集の方法が異なるのは当然という世の中になってきたのです。近年のスマートフォンやソーシャルメディアの急激な普及も、この傾向に拍車をかけました。

情報収集のあり方が多様化すると、マーケティング活動において個々のユーザーに情報をきちんと届けるためには、さまざまな手段を駆使することが当たり前になってきます。そのため企業のマーケティング部署では、Webサイトやソーシャルメディア、ECサイト、メールマガジン、DM、Popupストアなど、想定顧客像にあわせて多様なマーケティング施策を並行して実施する場面が増えてきました。

そういったことから、マーケティング部署がチェックしなければならないデータ量は爆発的に増大しています。

もう1つは、センシング技術によるデータ量の増大です。さまざまなセンサーを組み合わせることでヒトやモノの状態を可視化・定量化する技術が発達するにつれて、これまでは自動的に取得することが不可能だったデータも、企業がデジタルデータとして蓄積できるようになりました。

例えば店舗で取得できるデジタルデータですが、以前はPOSデータだけでした。それが今では、店舗に現在何人お客様がいるのか、店の中でお客様がどのように行動したのかなど、さまざまなデータを取得できる技術が実用化されています。

これら2つの理由から、企業が保有するデータの量は増大する一方であり、また、技術の発展によって、取得可能になるデータの範囲はますます増え続けていくことが予想されます。

増大する一方のデータとどのように付き合っていくのか、意思決定が必要とされるわけですね。

山本:

そうです。これからは、収集したデータを企業活動に活用できる企業とそうではない企業との間に、大きな競争力の差が出てくると思います。ですので、今後の企業の生き残りや成長を考えるならば「データドリブンを導入するか、しないか?」ではなく、「データドリブンな仕組みに変えていくために、いますぐしなければならないことはなにか?」に発想を変えていかなければなりません。

多様化が進み、不確実性が増した現代では、施策の迷いややり直しが以前よりも多く発生しがちです。個人の勘や経験を頼りにした意思決定からデータドリブンな意思決定に変えていくことで、過去の経験を無駄にせず、かつ、成功につながりやすい打ち手を検討できるようになります。

膨大なデータを活用するためのポイントは「可視化」と「人」

データドリブンによる意思決定を進めていくにあたって、重要なことはなんでしょうか?

山本:

いろいろな観点がありますが、まずは意思決定プロセスにおける作業と時間の無駄を徹底的に削減することです。そのためには、収集した膨大なデータを自動的に(人の手を介さずに)、意思決定が容易な材料として可視化するシステムが必要になります。

現状のパフォーマンスや問題点を適切・適時に把握するためにも、BI(ビジネス・インテリジェンス)ツールなどのデータ可視化システムの果たす役割は大きいです。データをただ蓄積するだけでは、データドリブンによる意思決定にはつながりませんから。

私たちADDIXのデジタルプラットフォーム事業部では、データ可視化のためのシステムとして「FARO」シリーズをご提供しています。FAROシリーズは、Googleアナリティクスのデータをレポートとして自動作成する「FARO REPORT」、ハウジングメーカー様向けにOEMにてご提供しているLP作成ツール「FARO HOMES」、そして今年(2019年)リリースして間もない、企業の持つ各種マーケティングデータを収集・集計・可視化する「FARO KPI DASHBOARD」の3種類(※1)で構成されています。

※1 2019年11月現在

用途に合わせてデザインされていますので、お客様の目的に合わせて導入いただけます。いきなり高価で大規模な汎用BIツールを導入しても、使いこなせずに無駄な費用が発生しただけに終わることも多いと聞きますが、用途に特化した「FARO」シリーズであればそのような心配はありません。

データドリブンの導入で他に留意すべきことはありますでしょうか?

山本:

「人」ですね。確かにデータの可視化は大切なのですが、「システム」だけですべてが完結するような考え方では、結局はあまりうまくいかないのではないかと思います。
適切にシステムを導入し、継続して運用・活用していくためには、データの取り扱いに習熟し、お客様の気持ちに寄り添って伴走できる「人」のサポートが実はとても重要なのです。

「人」ですか?データドリブンを進めるために「人」が重要、という視点は新鮮です。

山本:

お客様が、現状のパフォーマンスや問題点を適切に把握できるように可視化するには、どのような指標を取り上げれば良いのか、正しく判断する「人」が必要です。
その指標のデータは社内のどの部署が持っているのか、どのようにして計測し、取得しているのかを確認するのも「人」です。データドリブンな意思決定にあたって、企業が目指す最終的な目標にもとづいて、モニタリングすべき指標と目標値となる値を適切に設計するのも、もちろん「人」です。

また、売上数値のようにすでに定量化・デジタルデータ化されているものを収集するだけならば話は簡単ですが、世の中そこまで単純ではありません。現状分析を行って目標と照らし合わせて考えた結果、モニタリングすべきと判断されるものは、必ずしもデジタルデータとしてすでに存在しているものだけとは限らないからです。

例えば、お客様からの評価を指標に入れたい、と考えた場合に、「お客様窓口に寄せられた商品に対する漠然とした不満」や「ソーシャルメディアに投稿された口コミ」の分析など、定性的な内容のデータを計測・収集していくことが求められる場合もあると思います。また、このWebページはユーザーにどのくらい熱心に読まれたのか?といった、単純にPV(ページビュー数)では計測できない指標をKPIとして取り上げたいような場合もありますよね。

それらの定性的な内容をどう数値データに落とし込むか、どういった値でモニタリングしていくかを考えて、計測可能にする工夫が必要になります。もちろん、その工夫を考えるのも「人」なのです。
私たちのデジタルプラットフォーム事業部の強みは、先ほどご紹介した「FARO」という「システム」だけではなく、こういったサポートを提供できる専門知識を持つ「人」も揃えていることですね。

「システム」と「人」の両輪によって、デジタルプラットフォーム事業部では、お客様のデータドリブン導入に向けた取り組みを、スタート段階から実運用までトータルでサポートすることができます。

「システム」+「人」の両輪を提供できることが、デジタルプラットフォーム事業部の強み

デジタルプラットフォーム事業部がカバーする「システム」と「人」についてお聞かせください。

山本:

まず「システム」としては、先ほどお話ししたように、データ収集から可視化の自動化による業務効率化、作業負荷軽減を実現するツール群「FAROシリーズ」をご提供しています。

「人」としては、まず、サイト分析など専門的なサポートを提供するデジタルエクスペリエンス(以下、DX)チームがあります。それから、FAROシリーズをお客様が円滑に導入できるようお手伝いするカスタマーサクセス、運用時の疑問やトラブル発生時の窓口となるカスタマーサポートも、我々の重要な「人」の要素です。

DXチームというのは、どのような組織なのでしょうか?

山本:

データドリブンな経営を実現するために、必要なサービスをご提供する役割のチームになります。
サービス内容としては、例えばデータ収集や分析、定量化、KPIツリーの設計など、企業のご担当者様のニーズをお伺いした上、で柔軟に対応させていただいています。

DXチームのメンバーは全員Google公式資格であるGAIQ(Googleアナリティクス個人認定資格)を保持しており、サイト分析をはじめとして教育やコンサルティングなど、様々な領域に強みを持つメンバーが集まっています。

「システム」について、少し詳しくお聞きします。
「FARO KPI DASHBOARD」とは、名前通りKPIによる意思決定支援ツールのようなものでしょうか?

山本:

孫子の言葉で、『彼を知り己を知れば百戦殆ふからず。彼を知らずして己を知れば一勝一負す。彼を知らず己を知らざれば戦ふ毎に必ず殆ふし』というものがあります。
ビジネスに例えれば、競合相手のことを知るのは重要だけれど、それと同じくらいに、自分たちのことを知ることも重要である、ということになります。

とはいえ変化の激しい時代ですから、自分たちを理解するために時間をかけすぎていては、やはり負ける要因となってしまいます。つまり、自分たちの状況をリアルタイムで把握できるツールこそが、ビジネスにおいては重要です。

「FARO KPI DASHBOARD」は、まさにそのような目的のために構築されたシステムで、KPIをリアルタイムかつ直感的に把握できるようにデザインされています。

多機能なBIツールは航空機のコックピット内計器のように、詳細なデータを伝達してくれますが、活用できる人は限られます。それに対して、「FARO KPI DASHBOARD」は自動車のダッシュボードのように、パッと見ただけで誰でも現状を把握できることに重点が置かれています。

一般的なBIツールと「FARO KPI DASHBOARD」の違いとして、最も大きいポイントはどこになりますか?

山本:

BIツールでも、ご自身で使い方を学んで設定すれば、見るべき指標を表示したダッシュボードを作ることはできます。
ただそれを実現するためには、本当に見るべき指標は何かという本質的なKPI設定についての知識も必要ですし、散在した各種のデータをBIツールに取り込むためのデータ処理から、ツール自体の使い方の習得、集計や分析、可視化に関する知識までを、ツールの利用者であるお客様ご自身で行う必要があります。それは、かなりの手間や工数がかかります。

KPI DASHBOARDは、モニタリングすべき指標を、業界ごとにあらかじめテンプレートとしてご用意しています(※2)。
KPIの数値の設定はもちろん必要ですが、表示対象となる指標そのものをご自身で選んで設定する必要はありませんから、導入が完了すれば、すぐにダッシュボードとして使っていただけます。

※2 2019年10月現在、アパレル業界向けに先行提供中。

また、お客様にとって適切なKPIを設定できないのであれば、単純にシステムでKPIを表示できても、真のデータドリブンの実現とは程遠くなってしまいます。
私たちデジタルプラットフォーム事業部には、先ほどお話ししたDXチームやカスタマーサクセス、カスタマーサポートなど、専門知識のある「人」のサポートがあります。システム単体の違いという話からは外れてしまいますが、「システム」と「人」の両輪でサポートすることで、お客様のビジネスの成功を一社で一貫してサポートできるところこそ、「FARO KPI DASHBOARD」の強みですね。

BIツールの提供企業は、ツールの使い方や技術的なサポートだけを提供するところも多いと聞きます。
プロジェクトの立ち上げから運用、分析、改善、内製化支援まですべてカバーできる企業は、それほど多くありません。さらにツール導入後の社内への定着(オンボーディング)まで、しっかりとしたサポートをご提供できるところまで含めれば、同様のパッケージをご提供できる会社はほとんどないのではないかと思います。

注目が集まりがちな、コスト面ではいかがでしょうか?

山本:

BIツールの導入・運用にはかなりの負担がかかりますが、「FARO KPI DASHBOARD」はテンプレートの種類を限定した低価格プランもご用意していますので、その点の心配もありません。
「FARO KPI DASHBOARD」はKPI可視化に特化したツールのため、自由にデータを集計・分析したり、詳細データの深堀りをしたりといった機能はありませんが、拡張性が高いため、将来的にさらに分析が必要になった際には、外部分析ツールとの連携も可能です。天気や気温などといった外部データと連携することで、さらなるインサイトをもたらすことも可能です。

拡張性やコストパフォーマンスまで含めて、「FARO KPI DASHBOARD」がお客様のビジネスの成功に寄与できることを、私は確信しています。

デジタルプラットフォーム事業部の今後

最後に、デジタルプラットフォーム事業部の今後の目標についてお聞かせください。

山本:

「システム」と「人」の両輪をご提供できるという最大の強みを活かしていきたいです。
その上で、お客様の努力が確実に成果につながるような仕組みづくりをご支援することを重視していきます。

システムで自動化できる部分は自動化し、お客様には人間にしかできないセンスや感性、クリエイティビティを活かした仕事をしていただく。デジタルプラットフォーム事業部の提供する「システム」と「人」の力で、対症療法的なその場しのぎのソリューションではなく、継続的にアップデート可能な「データドリブンビジネス」を提供していきます。


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