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Digital Business
公開日2019.11.27 /更新日2019.12.04

デジタルプラットフォーム事業部が実現する、データ駆動社会とは(ADDIX取締役 山本和弘インタビュー | 前編)

あらゆる情報がデジタル化され、データの時代となった現代。ニーズの多様化に対応し、スピーディーにデータを収集・分析して、活用していくことが求められます。

株式会社ADDIX デジタルプラットフォーム事業部をリードして、多くの企業のマーケティング組織へデータ活用の仕組みづくりやKPI設定をサポートしてきた、ADDIX取締役・山本和弘のインタビュー。
前編は「データドリブン」とは何か?についてお届けします。

「データドリブン」とは?

近年、「データドリブン(data-driven、データ駆動型)」という言葉を耳にする機会が増えました。「データドリブン」とは、実際のところどういう概念なんでしょうか?

ADDIX取締役・山本和弘(以下、山本):

一般的には、「データドリブン」とはさまざまなデータを定量化・デジタル化して、収集・集約した上で活用する……という概念で説明されることが多いですね。デジタルトランスフォーメーションが進行していく中で、考え方が先に広まったマーケティング領域だけでなく、企業の意思決定という領域においても一般化しつつあります。

データドリブンが一般化すると、私たちの仕事はどのように変わるのでしょう?

山本:

これまでのように勘や経験、声の大きい人の主張によってではなく、データ ── つまりファクトとエビデンス ── を元に仮説を構築して、施策を実行していく形に変わってくるでしょう。医療の世界で「根拠に基づく医療」の考え方が広まったのと同じ動きが、一般的なビジネスの現場でも展開されることになります。

でもそれよりも、私はデータドリブンの一番のポイントは「たとえ失敗しても、その経験を活かせる」ことにあると考えているんですよ。

「失敗を活かせる」とはどういう意味でしょうか?

山本:

「データドリブン」を進めていく上で大切なのは、チャレンジした結果を行動に反映し続けていくことです。失敗しないことよりも、人よりも先にチャレンジすること自体に価値があります。

成功するに越したことはありませんが、失敗してもそれは無駄ではありません。すばやく失敗から学び、次の施策で成功につなげるための仕組みづくりに活かすことができれば、ビジネスの成功確率をそれだけあげることができるのです。

もちろん、成功か失敗かをすばやく判断するためにも、データドリブンの仕組みを整備する必要があるのは、言うまでもありません。

企業が「データドリブン」に移行すると、どういう効果があるんでしょうか?

山本:

まず、時間の無駄が少なくなります。
例えばマーケティングの領域がデータドリブンになると、数値によって機械的・自動的に判断できることが増えて、悩んだり、やり直したりという無駄な時間を減らすことができます。

それによって、データの収集や集計・分析などに割いていた時間を、よりクリエイティブな、本来の仕事に使えるようになります。例えばアパレルブランドのマーケティング担当の方であれば、施策のプランニングに頭を使ったり、実店舗でお客様と直接コミュニケーションを取ったり、といったことに時間を取れるようになります。

無駄な時間を削減できれば、企業全体の競争力を上げることにもつながっていくのではないでしょうか。

無駄の削減、コストダウンに効果があると言うことでしょうか?

山本:

そうですね。でも、それだけではありません。
先ほどの「失敗を活かす」とも関連しますが、成功事例や失敗事例をデータとして記録・蓄積していくことで、データも解析しやすくなります。将来的にはAIを利用することで、成功事例のモデル化による再現も可能になっていくでしょう。「部署のエース」の属人的なノウハウに頼らなくても、汎用性・再現性のある成功のための手法を発見できれば、さらに無駄を減らすことができます。

もちろん、すべてのプロセスをデジタルデータで管理できるようになれば、リアルタイムでのデータ収集や集計・可視化もお手のものです。実行中の施策の効果測定から検証、次の施策検討までのタイムラグは大幅に削減できますね。

「データドリブン」を実現するために必要なのは…

それでは、企業活動をデータドリブンに移行するために必要なものはなんでしょうか?

山本:

企業内のさまざまなデータを定量化、デジタル化した上で、集約できる環境を用意することが大前提です。データドリブンで判断するには定量化されたデータが重要ですし、企業内・部署内の様々なデータを集約して分析できなければ、データドリブンの効果は半減してしまいます。

そこが最低限の前提というわけですね。そこをクリアすると、次にポイントになるのはなんでしょうか?

山本:

「判断基準となる指標と数値を、正しく設定する」ということになります。
つまり、その施策は『なに』が『どれくらいの値』ならば『OK』または『NG』なのか」が、判断できるような指標と数値を設定する、ということです。

ここが適切に設定されていれば、例えば目標数値と現状数値にギャップがあった場合、そのギャップが人を動かします。なにがどの程度足りないのかが見えれば、その部分の底上げを目指して動くことが可能になるからです。

そして最も大切なのは、多くの指標の中から、企業目標に直接結びつく、重要な指標を探し出して明確にすることです。あらゆるデータが収集できる現状では、企業の取得できるデータは増大する一方で、チェックしなければならない指標もどんどん増えていってしまいます。

いくらデータの収集・分析を自動化したとしても、人間が処理できる情報の量は限られています。多数の指標を管理するために時間と創造性を消耗してしまうようでは、なんのためのデータドリブンなのか?ということになってしまいますよね。

というわけで、多くの指標の中から本当に見るべき指標、つまりKPI(※1)をしぼり込むことが必要です。「データドリブン」においては、KPIの設定はとても重要です。KPIが正しく設定できていないと、いくら努力しても成果にはつながりません。

※1 KPI:Key Performance Indicators、重要業績評価指標。組織の目標達成の度合いを定義する補助となる、計量基準群のこと(wikipediaより)

効率化、自動化の行き着く先の未来図

データドリブンがさまざまな分野で社会に浸透していき、効率化・自動化が進んだ未来の社会は、どんなものになると思われますか?

山本:

これまでの日本社会にあった、無駄な時間的コストの負担が徐々になくなっていくと考えています。

私には「日本から無駄をなくしたい」という気持ちがすごくあります。結果に直接繋がらない作業や努力といった、無駄を強いられることがまだまだこの社会には多すぎます。ピッチャーを目指して野球部に入ったのに、ボール拾いばかりさせられる。料理人になるために料亭に弟子入りしたのに、ひたすら皿洗いばかりさせられる。そういう無駄は、もうなくしていきたいんです。

今後の人口減少局面においては、そうした無駄を社会で負担していく余裕はもうありません 

山本:

その通りです。私たちの世代は、長時間労働によって成功を手に入れる「労働集約的な成功」が主流でした。これからはそうではなく、「構造・システムでビジネスを成功させる」時代にしていきたいし、そうしていかなければいけないのです。そして、それは夢ではないと思っています。

もしも、将来的に「構造・システムでビジネスを成功させる」時代が実現したとすると、「社会全体の生産性が飛躍的に向上し、基本給、給与が今よりもかなり高くなるでしょう。
そうなると例えば、朝9時から昼の12時まで働いて、ある程度の給与をもらって、午後からは大学に通うという生活もできるようになります。もちろん、もっと働きたい人はもっと長い時間働いて、もっと高い給与をもらうという選択もできる。私の子供たちの世代には、目的にあわせてライフスタイルを選択できるような仕組みを残せるようにしていかなければなりません。

将来的には、現時点で存在している仕事であっても、デジタルトランスメーションによって消滅していくものも出てくるでしょう。一度社会に出た人間も、勉強したいと思った時に何度でも大学に入り直して、新たな知識を得て、新たな職につく。そうした社会に変化していくのは、当たり前で、自然なのではないかと考えています。

大きな話になってしまいましたが、そんな社会を実現できるようにデータドリブンへの移行を進める。それが私の目標ですし、ADDIXのデジタルプラットフォーム事業部のミッションだと思っています。

後編に続く


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